講師に福岡県立福岡高等学校の池内一誠先生をお招きし、文化芸術講座「南蛮屏風を読む」というテーマで、実際に屏風を見ながら、南蛮貿易の実態や桃山文化のについてお話しいただきました。
今回教材として取り上げた南蛮屏風は『唐船・南蛮船図屏風』(六曲一双,紙本金地着色,155.8cm×360.4cm、九州国立博物館所蔵)のうち右隻「南蛮船図屏風」(※令和7年に国の重要文化財に指定されています)。
今回の講座では、この屏風を拡大して様々な場面(南蛮船から陸揚げされた積荷・見世棚・南蛮人の行列・南蛮船がもたらした文物・茶店・舶来の反物の取引の様子)を探しながら当時の町の雰囲気や当時の情景を想像していきました。
【南蛮屏風とは】
南蛮人渡来屏風,長崎屏風,黒船屏風ともいう。安土桃山時代から江戸時代初期にかけてポルトガル人来航の情景を描いた風俗屏風。技法や様式は日本在来のものであるが,主題は当時の南蛮趣味の影響を色濃く受けている。南蛮屏風は日本および外国に 60点以上現存,そのほとんどが文禄,慶長~寛永期 (1592~1640) 頃に狩野派およびその流れをくむ町絵師の手で制作されたと推定される。
出典 ブリタニカ国際大百科事典